<FAQ(よくある質問)>


Q1 コンタクトレンズを使用しておりますが、注意点を教えて下さい。

Q2 最近、目がかゆくて困っています。ほっておいてもいいものでしょうか。

Q3 パソコンを使う機会が多くなりました。どんな点に注意をすればいいでしょうか。

Q4 白内障と言われました。でも、手術となると不安で・・・。

Q5 先日酔っぱらいに殴られました。私も酔っぱらってましたが・・・。で、今でも目の周りが黒ずんでいます。現在、特別痛みはありません。ほっておいていいでしょうか。









































A1 <コンタクトレンズによる角膜障害>

 最近、コンタクトレンズの不適切な使用による、重症の角膜障害が増えている。
また中学生など、低年齢化が目立っており、日本眼科医会で警告している。

 使い捨てのコンタクトが、発売されたが、眼障害が増加している。それはまず第一に、長時間の使用によるが、その他、消毒不適、洗浄不適、こすり洗いしない事などによる。
第二に、処方とケアが原因で、これには装用指導の不適が最も多く、次に定期検査の不適、処方の不適が続く。第三に、コンタクトレンズ自体が原因で、それには材質劣化が最も多く、そして、汚れ、キズ、変形、破損と続く。

 角膜障害は、具体的には、痛い、赤い、ゴロゴロする、涙が出る、かすむ、見えない、目やに、痒い、乾くなどの症状が出るもので、検査により多い順に、角膜上皮ビラン、毛様充血、角膜浮腫、角膜浸潤、アレルギー性結膜炎、点状表層角膜炎、巨大乳頭性結膜炎、角膜潰瘍、血管新生、前房炎症、乾性角結膜炎などを認める。

 この中で、最も重症の角膜潰瘍を起こしやすいコンタクトレンズを見てみると、二週間の使い捨てなどの、頻回交換ソフトコンタクトが最も多い。

 コンタクトレンズは医療用具であり、法律で、眼科医の指導の下に使用するように定められていますので、眼科医の定期健診を受け、失明しないよう注意しましょう。


A2 <目のかゆみについて>

 目の表面の白目の結膜は、粘膜に覆われており、そこにハウスダスト(部屋のゴミ、ペットの犬、猫、鳥の毛)、ダニ、真菌(カビ)、花粉などの異物(抗原)がつくと、免疫グロブリン(IgE抗体)がつくられます。これがマスト細胞と結合し、この肥満細胞からヒスタミンなどが放出され、まわりの血管を拡張させ、血漿が漏れ出して、痒みを起こします。

 代表的なものには、1.アレルギー性結膜炎 2.アトピー性角結膜炎(アトピー性皮膚炎)3.春季カタル 4.フリクテン 5.巨大乳頭性結膜炎(ソフトコンタクトレンズによる)などがあります。

 結膜の炎症とは、赤い、腫れた、痛痒い、熱い、目やにで眼が開かないなどの症状を起こすものですが、最大の危険は、角膜炎を併発して、治った後に角膜の濁りを残して、見えなくなることです。このため眼の免疫機構の特長として、激しい炎症を起こさないように免疫不全のメカニズムを保ち、角膜の透明性の維持に一役買っています。

 しかし、特に注意しなければいけないのは、アトピー性皮膚炎などで、痒いからといって、目を強くこすりすぎると、外傷性の白内障や網膜剥離を起こし、手術が必要となります。しかもその手術が難しく失明する事もあるので、早期発見、早期治療しなくてはいけません。また、治療薬のステロイドホルモンは、強い薬なので、副作用で緑内障を起こして失明する事もありますので、必ず眼科の専門医に診てもらいましょう。

 またソフトコンタクトを、汚いまま使用するために起きる巨大乳頭性結膜炎は、特に使い捨てのコンタクトを捨てないで、長く使用する人に多いので、使用法を正しく守りましょう。できるなら、ハードコンタクトの方が、安くて安全ですが、一長一短があります。
 めがね屋さんでの処方や診察は、医師法違反です。信頼のできる眼科専門医の診察を受けましょう。


A3 <パソコンの疲れ目の症状について>

 パソコンを使い、やりすぎで、疲れる方が多いので注意しましょう。

1.まず画面を注視し続けるために、まばたきが少なくなり、目が乾き、充血します。

ドライアイと言われるものがそうです。 特に、コンタクトレンズを装用していると、起き易いので、人工涙液を点眼するとか、あるいはメガネに変えるのも、いいでしょう。

2.画面にホコリが反射して、目を傷つけ、痛くなったり、目がかすみます。

3.画面のチラツキや、電磁波なども出ていて、疲れさせ、まぶたの痙攣をおこします。
4.交感神経が緊張し続け、吐いたり、頭痛もおきます。

5.近業し続け、近視が進んでメガネが合わなくなったり、老眼で見にくいままやっていると、姿勢が悪くなり、腰や肩がこり、痛くなります。

6.パソコンマニアは、運動不足になり易く、血液循環が悪くなり、網膜出血をおこしたり、緑内障をおこす危険も、高くなります。

7.やりすぎて、疲れて、うつ病になる人もいます。

おかしいなと感じたら、早めに眼科の専門医の検査を受けて、病気の早期発見に努めましょう。


A4 <白内障の手術時期について>

 白内障は、手術器具の進歩と手術技術の向上により、安心して行える様になって参りました。 従って、手術を行う時期が、早くなってきております。

手術が怖いという患者さんも、まだ多いのですが、白内障を放置しておきますと、だんだん水晶体が大きくなり、房水の出口が詰まったり、溶け出して緑内障を起こすことがあります。痛みのために真っ青になって、眼科の救急外来に駆け込むという事も起きてくるのです。

 一般的に言えば、現在の医療水準であれば、白内障を放置したための危険性の方が、早く手術をする事の危険性より、大きいのです。そして、早めに白内障の手術をする様になってから、緑内障の発作を起こす患者さんが、減ってきていると考えられます。また、眼内レンズにより、強度の近視や遠視も、矯正できて見やすくなります。ですから、見にくくて困っているのでしたら、早めの手術をお勧めします。

 日帰り手術も、行っておりますので、お気軽にご相談下さい。


A5 <眼球打撲>

 目をぶつけておこす鈍的外傷、ケガを、眼球打撲症といいます。

 原因としては、ボールが小さい方からいくと、1)エアーガンの弾、2)ゴルフ、3)テニス、4)野球、5)握りこぶし、6)バレーボール、7)サッカー、8)バスケットボールなどがある。 ボールが小さいほど、重症になり易いので、注意が必要です。

 症状としては、1)痛い、2)見えない、3)二つに見える等があるが、見えないというのが、一番重症です。 時間の経過に従って、発症状況を見てゆきましょう。

 ケガ直後には、1)皮下出血、2)結膜出血、3)角膜上皮剥離、4)虹彩炎、5)前房出血などが見られる。 1)目を殴られると、パンダのように目の周りが黒くなるが、これは皮下出血で、心配ないが、消えるのに、出血の量にもよるが、1ヶ月位かかる。

2)また白目に出血するのは、結膜出血でこれだけならば、心配はない。 3)角膜(黒目)の皮がむけたのが、角膜上皮剥離だが、この傷に細菌、ウイルス、カビなどが着くと、化膿して白い濁りを残して見えなくなるので、注意が必要だ。 4)角膜の後ろの眼の中の虹彩の炎症や、 5)前房の出血は、緑内障や白内障などの合併症を引き起こすことがあり、重症です。 安静にして出血が退くまで待たねばなりませんが、長引くときは洗浄する事もあります。

 2−3日して見つかる事が多いのは、1)網膜振盪症、2)網膜出血、3)硝子体出血、4)網膜黄班円孔、5)眼窩底骨折、6)視神経管骨折などです。 眼底が見えるなら、ケガ当日に見つかりますが、まぶたの腫れがひどかったり、前房出血があると判らない。

1)網膜振盪症とは網膜が浮腫を起こしたもので、場所により視力に影響する。2)網膜出血はものを見る中心の黄班部にかかると、重症の視力低下をきたす。3)硝子体出血は大量だと、網膜剥離の原因となり、重症だ。4)黄半円孔は重症の視力低下をきたし、治療が難しい。5)眼窩底骨折は物が二つに見えるが、気が付くのが遅い人がいる。これは手術を要する事が多い。6)視神経管骨折もぶつけた直後に気付く人もいるが、時間が経ってから発症する場合もあり、気付くのが遅れる人もいる。これはなぐられてもおきるが、半分は交通事故、特に自転車で転倒して顔の側面を打った時におこる。手術が必要だが、難しく治りにくい。

 1週間以上して起きてくる事が多いのは、1)網膜剥離、2)白内障、3)緑内障などで重症だ。1)網膜剥離はケガ直後に起きるものもあるが、むしろ注意しなければならないのは、時間が経って起きてくるものだ。ぶつけてできた裂孔が、段々広がり剥がれてくるのだ。忘れた頃にやってくるので、数ヶ月から1年位は注意が必要だ。2)白内障はレンズが白く濁ってくるのだが、多くの場合ゆっくり進行するので、数年して気付く事もあるし、ぶつけた事さえ忘れている事もある。進行してしまったら、手術が必要になるが視力は回復する。最近アトピー性皮膚炎の患者さんで、白内障や網膜剥離を起こす人が増えているのは、痒いために眼を強く擦りすぎる為ではないか、と言われている。3)緑内障は、視神経が徐々に萎縮してくるもので、眼圧が高くなり、視野が狭くなります。これは最も重症で、注意しなければならないのは、一度萎縮した神経は元に戻らないからだ。つまり、気が付きにくく、発見が遅れると、手術でも回復が難しいからだ。1年位は眼圧の検査、眼底検査、視力、視野の検査は、受けておいた方が良いでしょう。